日本にいる日本人と日本にいる中国人が日本で婚姻する場合

ImgTop1.jpg
 

日本での日本方式による手続

日本の市区町村役場戸籍課に創設的届出としての婚姻届を提出することが可能です。この場合、日本の法の適用に関する通則法(「通則法」)24条1項により、実質的成立要件の成否については、各当事者の本国法が適用され、中国人については中国法が適用されますが、中華人民共和国民法通則147条は、中華人民共和国
公民と外国人との結婚には婚姻締結地の法律を適用する旨規定しておりますので、日本法により判断されます(これを反致といいます(通則法41条))。
 
また、婚姻の方式についても、通則法24条2項により、挙行地である日本法が適用されます。したがって、中国では、婚姻届出については厳格な本人出頭主義がとられておりますが、日本で届出する限り、日本の方式による届出(本人の出頭は不要)が可能となります。この場合、成年の証人2人以上が婚姻届出に署名する必要があります。
中国人当事者は、パスポートと婚姻要件具備証明書が必要です。婚姻要件具備証明書は、在日中国大使館又は地方の総領事館で取得することができます。また、婚姻要件具備証明書に代わり、独身であることの宣誓書等の提出も認められます。
 
中国法では、前述のとおり、婚姻年齢は、男22歳、女20歳とされています。しかし、日本で婚姻する場合は、前述のとおり通則法24条1項により、各当事者の本国法が適用され、中華人民共和国民法通則147条は、 中華人民共和国公民と外国人との結婚には婚姻締結地の法律を適用する旨規定しており、実質的成立要件の判断にあたっては、日本法が適用されるので、中国法では、婚姻年齢も男22歳、女20歳とされていますが、日本で日本の方式で婚姻する限り、中国人の婚姻年齢も男18歳、女16歳ということになります(したがって、中国人の男22歳、女20歳未満であっても、男18歳、女16歳以上であれば、在日中国大使館において婚姻要件具備証明書が発行されます。参考サイト 在日中国大使館領事部電話番号03-3403-3065)。

ただ、民法737条1項により、未成年者(中国法における18歳未満ということになります。)の中国人が婚姻する場合には、父母の同意が必要となります。また、中国では、女性の再婚禁止期間の制限はありませんが、日本では、民法733条1項で、女性は、前婚の解消又は取消しの日から6箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができないと規定されていますので、中国人女性についても、再婚禁止期間の制限の適用があります。
 

(参考)

中国人を当事者とする創設的婚姻届の審査について
平成22年3月31日民一第833号民事局第一課長通知
 

中国人と日本人を当事者とする婚姻について

(1)中国人当事者の実質的成立要件の準拠法
法の適用に関する通則法(以下「通則法」という。)第24条第1項、同法第41条及び中華人民共和国民法通則第147条により日本法が適用される。
 
(2)中国人当事者の婚姻要件の審査
性別及び年齢については、性別及び出生年月日の記載されている公証書、独身であることについては、無婚姻(無再婚)登記記録証明、未婚姻公証書等婚姻登記記録がない旨の公証書又は未(再)婚声明書に公証員の面前で署名したことが証明されている公証書、再婚禁止期間が経過していることについては、上記公証書で審査できない場合には離婚公証書等により審査することとする。
ただし、婚姻要件具備証明書が添付された場合は、これにより性別、年齢及び独身であることを審査して差し支えない。
 

日本での中国方式による手続

日本での中国方式による手続は、在日中国大使館等での外交婚によることになりますが、外交婚は、中国人同士の場合のみしか認められておらず、日本人と中国人との間の外交婚はできません。
 

中国での手続

日本人と日本にいる中国人との間で日本方式で成立した婚姻は、中国国内で改めて婚姻登記又は承認手続を行わなくても、中国国内で有効なものと取り扱われ、結婚証の発給がなくても、日本の外務省の公印確認及び在日中国大使館等において認証を得た婚姻届受理証明書があれば、中国国内でも使用できることになっています。中国での届出としては、中国の居民戸口簿の婚姻状況欄の「未婚」を「既婚」に書き換える必要があります。


 

キャストグローバルにご相談いただく方へ

■ご相談の流れ
お客様の声
国際離婚の費用
■弁護士紹介
■事務所紹介
■お問合せ
■アクセスマップ


 

国際離婚・国際相続についてお悩みの方は弁護士法人キャストグローバルへ

国際離婚のご相談

Copyright (C) 2020 弁護士法人キャストグローバル All Rights Reserved.